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股関節形成不全
股関節形成不全

股関節形成不全

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犬の股関節形成不全の概要と症状

この疾患は、大腿骨と骨盤との接続点である股関節の形状が生まれつき正常な形をしていない状態を指します。
最近、股異形成との名称が一般的になってきました。

股関節形成不全の症状は仔犬時代には明らかな症状が出ないのですが、生まれて半年を経過する頃から少しずつ、異常の傾向が見受けられるようになります。
その理由は、成長に従って大きくなるべき骨盤が不完全で、大腿骨の先端部が収まる接合部が小さいために発現する現象だからです。

具体的な症状の現れ方は、生後6~8か月くらいに非常に強い痛みが出て、歩行中にお尻(コシ)を左右に振るように歩いたり、スキップのような仕草をしたり、うしろ脚を上手に折り畳めなくなったりします。
また股関節の違和感や痛みで、運動を嫌うようになります。
ただ、このような場合でも半年くらい経つと痛みが自然に消え、その後は痛みが再発しないケースもあります。

股関節形成不全となる原因

この疾患の原因は、主に遺伝によるもので、発生の約70%は遺伝が要因だとされます。
日本国内の犬血統書の発行機関は専門機関のアドバイスを受けながら、遺伝による股関節形成不全の発現確率を下げる努力を続けています。

遺伝以外の残りの30%の原因は発育期の生育環境であるとされます。
骨が急速に成長するのは生後2月間ですが、その時期にどのような力が股関節にかかるかという点が、骨盤の正常な成長に影響を与えることが、最近報告されています。

この時期の肥満や固い舗装面の上での過度の運動は、不全な形成の要因となります
これは主に大型の犬によく見られる要因のようですが、小型の柴犬でも肥満や舗装面での過度の運動はヒザにも良くないなど他の疾患の原因ともなりますので避けなければいけません。

また、生後2か月で骨格が急成長した後も、まだ半年くらいは骨格の成長が続きます。
その間の栄養状態は、股関節形成不全の要因となりうるとの研究報告もあり、特にバランスのとれた食事の管理に注意しましょう。

股関節形成不全の主な治療法

①安静療法
骨格がまだ成長期にあるケースで症状が軽ければ、過度の運動を避け安静を保つこと自体が治療になります。
運動を短く軽めにして、食事量管理により体重を抑え、股関節を正常な形状に発育させます。

②投薬治療
中程度以上に症状が進み、犬自身が痛みを自覚しているケースでは、投薬による治療が行われます。
鎮痛薬の投薬により痛みを調節しながら食事管理と運動制限により悪化を予防します。

③外科的治療
重症化し、投薬治療が効果を出さず、運動障害が現れるケースでは、外科手術が行われます。
骨盤の一部の切断など、いくつかの手法があり、手術の方法は症状や犬の状態により適切に選択されます。

高額なこともあり、国内では未普及ですが、股関節を人工関節と置き換えたり、骨盤のくぼみを作ったりする手法もあります。