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ハラスのいた日々

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原作者中野孝次氏の実体験に基づく小説の映画化

子供のいない、中年の大学教授夫妻と犬の、小犬から亡くなるまでの触れ合いを描いた、中野孝次氏原作のノンフィクション小説を映画化したものです。
脚本は「男はつらいよ」シリーズをはじめ様々な映画で日本アカデミー賞を複数回受賞している山田洋次氏と、アカデミー賞脚本賞の複数回受賞歴を持つ朝間義隆が共同で執筆しています。
監督は「釣りバカ日誌」、「ホーム・スイートホーム」で知られる栗山富夫監督です。
キャストは主演の徳田夫妻を加藤剛さんと十朱幸代さんが演じています。

映画「ハラスのいた日々」のあらすじ

大学でドイツ文学の教鞭をとる徳田教授夫妻は、20年間住んだ都内の団地から新興住宅地の戸建て住宅に引っ越す際に、妹から小犬を贈られます。
ハラスと名付けられた仔犬は子供を持たない徳田夫妻から、我が子の如く愛情を注がれます。
「ハラス」という名はドイツでは大型のシェパード犬に良く付けられる名前だそうです。

ある日、徳田教授のもとを、大学を辞めて実家の宿屋を継ぐことを決めた教え子の平田が相談に訪れ、同期生の女性への思いを告白されます。
徳田夫妻は2人の仲を結ぶことに労を成し、2年後の挙式では媒酌人を務めます。
その後、徳田は定年を迎える年となり、ハラスも同じく老いていきます。
ハラスが12歳のとき、山形の平田夫妻の誘いを受け、徳田夫妻とハラスは山形の新築のスキー宿を訪れます。

スキーは楽しめますが、年老いて元気のないハラスはスキー場で行方不明となります。
ハラスを山形の山中には残して帰ることのできない徳田夫妻は悲しみますが、必死の捜索の成果で痩せ衰えたハラスが夫妻の元へ帰ってくるのです。

ハラスは原作を書いた中野氏が初めて飼う犬

中野氏は、「犬を飼うのは初めてだったので、どの体験も新鮮で、ハラスの子犬時代から死までを全て書いた」と述べています。
そのため、もし犬を飼うことに慣れた作者であれば平凡な出来事で、何とも感じず、小説にも書かなかった事も多いと思われます。
そのことが、余計に新鮮に感じられ、犬との日々の生活における喜怒哀楽がハッキリした輪郭を持って描かれています。

たとえばハラスを山形のスキー場で放すシーン。
現代の愛犬家からは、「年老いた犬をスキー場で走リ回らせるなんてとんでもない!」と言われるかもしれません。
あるいは、「犬が行方不明になるのは飼い主の責任だ」と叱られるかもしれません。
しかし、そのハラハラする感覚が、観客をスクリーンに引き込みます。

犬の可愛らしさだけでなく、自然の雄大さや、犬を通して周囲の人々のつながり等、感動シーンが多く、犬好きの方以外にもおススメの映画です。